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 楼主| 发表于 2020-12-10 14:30  ·  北京 | 显示全部楼层 |阅读模式
本帖最后由 alex_spencer 于 2023-1-24 16:43 编辑


ある昼休みのこと。
給食当番から帰ってきた智也はいつものように教室のクラスボールで友達とドッジボールをしようとしていた。

「ドッジボールしようぜ〜」

飯島智也は5年2組の中心的人物でもあり、彼が声をかけるとたいていの男子は集まってくる。この第4小学校では、1クラスにつきクラスボールが2個教室端のダンボール箱に用意されており、智也はいつも昼休みになるとクラスボールで友達とドッジボールをしていた。
しかしこの日、ダンボール箱の中にクラスボールは既になく、代わりに女子数名がクラスボールを持って教室を出ていくところを見た。

「おい、クラスボール2個持ってくなんてずるいよ。1個よこせよ。」

するとちょうどボールを持っていた美咲華音が言った。

「あたしたち、1個しか持ってないけど?」

「じゃあなんでクラスボールがないんだよ。1クラスにボールは2個あるはずだろ?」

「ボール1つ空気抜けちゃって新しいのに変えてるから、今はこれ1つしかないの。」

「へぇ。じゃあ、そのボール俺らによこせよ。」

「なんでよ。早い者勝ちだから。男子はおとなしく教室でお絵かきでもしてたら?」

華音がそういうと華音の周りにいた女子達も笑い出した。
智也はその様子に腹が立ち、喧嘩腰になっていく。

「女子こそ教室にいろよ。女子のボール遊びなんてザコいじゃん。男の方が上手くボール使えんだから俺らに譲れよ。」

「は?意味わかんないんですけど。女子がザコいって証明できるんですかー?」

「そんなの当たり前のことだろ!スポーツは男の方が強いし、女は教室でピアノとか弾いときゃ良いんだよ。」

「それ、何も証明できてないじゃん。もう知らない。馬鹿はほっといて行こ行こ〜。」

華音はそう言って他の女子と教室を出ようとする。

「待てよ!」

智也は華音の肩を掴んだが、華音はその手を振り払う。

「もう、しつこい!なんなのよ!」

「じゃあ、華音。クラスボールをかけて俺と戦えよ。」

「は?なんであんたと戦わないといけないのよ。」

「そのボールは今後、今日戦って勝った方の物ってことにするんだ。それでハッキリするだろ?」

「あんた言ってることめちゃくちゃ意味不明だけど、大丈夫?」

「お前さっき女子がザコいって証明しろって言ったよな?俺が今から女子がザコだって証明してやるよ。」

「へぇ?いいよ。じゃあやろ?逆に返り討ちにしてあげるから。」

こうして5年2組、飯島智也VS美咲華音の戦いが始まった。

身長142cmの智也と147cmの華音。
体格的には華音が大きく見える。
少年サッカークラブに所属し、足も速く、体力テストではAの評価がついている智也。
対して華音は基本的にスポーツは行っていない。体力テストの評価はBでそれほど悪くはないが、体力的に秀でているわけではない。
しかしルールはパンチやキックはなしで、自分の背中が10カウントの間、床についていれば負けという物である。華音が体力的に智也に負けていたとしても体格面でのアドバンテージも大きい。

委員会や他クラスの遊びに行った児童を除けば、全ての児童がこの戦いのギャラリーになっていた。


智也はいきなりタックルでしかける。ここで倒して一気に勝負を決める!そう意気込んで地面を踏みしめる足に力を込める。サッカーで鍛えた脚力で、目の前の女を倒すんだ。
そして遂に華音とぶつかる!!
しかしその瞬間、さっきまで凄い勢いで前進していた体が分厚い壁にぶつかったかのごとく止まってしまった。

「え...?」

なんと智也のタックルは完全に華音に受け止められていたのだ。
現状がまだよく理解できていない智也に対して、華音は上から覆いかぶさる。

「ふっ!」

ドスン。
華音はそのまま上から智也を押しつぶした。

「ぐふぅ!」

智也の肺から一気に空気が押し出され、うめき声となって現れる。

「ザコい女子に負けちゃってるけど?智也くん?」

「な...こんなのっ!」

智也は華音を振り払おうとするが、すぐに華音の腕が智也の首元に絡まり、裸じめが完成する。

「ぐぅっ...」

「首締め攻撃!あれ?男の子ってよわいなぁ〜」

ギャラリーからも声が聞こえる。
「華音ちゃんいいぞ〜」
「智也くん弱!」
「うるせぇぞ女子!智也、引き剥がせ!」

しかし、そんな声は気にならない。
そう、智也は戦っている相手が女なのだということを改めて実感していた。自分の首を締める華音の柔らかくて、小学生の中では比較的大きな胸が背中に当たっている。
智也は初めて、不思議な感覚に至った。今まで感じたことのないもどかしいような感覚。力を入れてないのに勝手に下腹部に力が入るような感覚。

「うおぁあ!!」

「きゃっ!!?」

智也は力まかせに華音の腕を自分の首から引き剥がし、全身を使って暴れるようにして華音を振り払った。

「はぁ、はぁ、はぁ...」

「智也くん、もう限界?」

「余裕だよ!男の方が体力あるんだよ!」

そして手四つでの力比べ。
やはり体格差があれど単純な力比べは男が有利だったか、ジリジリと少しずつ智也が押して行き、華音の腰が少しずつ少しずつ、反っていく。

「くうっ...」

「ど、どうだ!力で...男に、勝てるわけ...ねぇんだよ!」

そのまま押し倒そうと華音に抱きつく。しかし、華音は倒れなかった。

「きゃあっ!」

「くそ!なんでさっきも今も倒れねぇんだよ!」

華音を倒せず焦る智也。
そんな智也を見て今度は華音も智也の背中に腕を回し、智也を倒そうとする。

「ぐおぉ!くそ!負けて、たまるかぁ!!」

「倒れろぉ!!」

お互い抱き合う形で、相手を倒そうとする。

「ハァ、ハァ、ハァ、ふん!」

「はぁ、はぁ、はぁ、ふっ!」

お互いに息を切らしながら抱き合い、締め付け合い、相手を倒そうとする。
相手に横に振られてもすぐに体勢を立て直す。相手に押されてもすぐに押し返す。その繰り返しでかなりこの勝負は拮抗している。
しかし、均衡は徐々に崩れ始めた。
智也が華音の締め付けに耐えられなくなってきた。華音の胸は柔らかなはずなのに、圧倒的な圧力をもって智也の肺を圧迫する。
拮抗した勝負に持久力は欠かせない。酸素が必要なのだ。それなのに華音の締め付けは酸素の吸入を許してくれない。

「ハ、ハ、ハ」

少しずつ、体勢を立て直すまでの時間が伸び、押されても押し返せなくなっていく。

「く...そぉ。負けたく...ねぇ!」

智也は華音の体を全力で横に振ろうとしたが、酸素の欠乏した智也の体では、まだ体力が残っている華音の体をピクリとも動かすことはできなかった。

そして逆に華音は智也の体を横に振る。
ドスン。

「がはぁっ!」

長かったこの倒し合いを制したのは華音の方であった。
大きく息を切らしながら倒れている智也と、智也ほど息を切らしておらず、上に覆いかぶさっている華音。

先ほどまでの押し合いで盛り上がっていた男子は静まり返り、対象的に女子は歓声を上げた。

「うそ...だろ?」

「華音ちゃんすごい!強すぎ〜!!」

智也が見上げると余裕の表情で微笑む華音の姿があった。
そして、智也の鼻先と華音の鼻先が触れるほどの距離ま近づいて、華音の吐息は智也をくすぐる。

「また、あたしの勝ち。」

その顔に、智也はドキッとした。
大きな瞳に長いまつげ。白い肌。少しぷっくりとした唇。柔軟剤だろうか?汗に混じってふんわりと甘い香りがただよう。

そんなことを思っていると、突如カウントが聞こえる。

『ワン、ツー、スリー、』

そうだ!自分の背中が地面に10カウント以上についていたら負けなのだ。
慌てて智也は暴れるが、華音の腕が智也の腕を掴み、胸で智也の体を地面に押し付けている。加えて先ほどの押し合いでの疲労がまだ抜けていない。

『フォー、ファイブ』

無情にもカウントは進んでいく。

「智也!立て!!」
「諦めんな!!」
「智也くん、君は男子を背負ってるんだ!」

友達からの声援が聞こえる。そうだ。ここで負けたらクラスボールは永遠に女子の物。他の男子のためにも負けるわけにはいかない!

「うおぉ!!!まけるかぁあ!!!」

智也全身に力を入れて藻掻き、智也の両腕を拘束する華音の腕をなんとか振り払った。

「わっ、きゃ!!」

『シックス、セブン、エイト!』

自由になった腕でなんとか華音を押しのける。

『ナイン...』

カウント9。
ギリギリ持ち堪えることができた。
しかし、なんとか耐えて息を整える智也を休ませることなく、華音は再び覆いかぶさる。
今度は智也の両腕と胴を一気に締め上げる様にして床に押し付ける。

「グエッ...」

『ワン、ツー、スリー、フォー』

先ほどの押し合い同様、華音の締め付けで呼吸もできず、腕ごと締め上げられているため、腕の自由もない智也。

「ぐ...おお...」

11年生きてきた中で、一番の力を入れて華音の締め付けを解こうとする。
しかし、華音の腕はビクともしない。それどころか、どんどん強く締め上げる。両脚も華音の両脚にからめ取られ、全く動かない。

「くそ...ぉ。なん...で、女のくせに、こんな強ぇんだ...」

『フォイブ!シックス!』

両目から自然と涙が溢れてくる。
ごめん、みんな。ごめん、俺もう無理だ。

「智也くん、あたしはまだ余裕だよ?」

泣く智也のすぐ目の前で挑発しながら微笑む華音。

『セブン!エイト!』
「智也くん!負けるな!」
「智也ー!」

声援が聞こえる。
しかし、暫く続いた酸欠状態と華音の強力な締め上げで、智也は華音を振り払うどころか、なんとか意識を保つのでやっとであった。

『ナイン!...テン!!!』

そして、決着がついた。
そこにはやりきったような顔で座る華音と、涙を流して意識を失っている智也の姿があった。





智也が目を覚ますとそこはベッドの上。まわりはカーテンで仕切られていた。保健室だ。

「俺は...どうして。」

時計を見ると5時限目の途中だった。

「智也くん、いいかな?」

カーテンの向こうから女の声がする。声からして華音だろう。

「お前、負けた俺を馬鹿にしにきたのかよ。」

「違うよ。あの謝りたくて、入っていいかな?」

智也は何も言わず布団に潜った。自分が戦いを挑み、負けた女となんて悔しくて、虚しくて、喋りたくなかった。

「入るね。」

シャッ。
華音がカーテンの中に入る音がする。

「あの、昼休みはごめんなさい。最後、智也くん意識失っちゃってた。だからみんなに先生を呼んできてもらったの。」

「…」

「あたし、やりすぎたよね。最後、もっと手加減してあげた方が良かったよね。なんか、戦ってたら、楽しくなってきて。だんだん本気になってきちゃって。」

智也の目からはまた涙が溢れた。女に手加減してもらわなきゃならないってなんだ?でも、あの戦い全てを振り返ると基本的には華音がずっと優位に立っていた。
その事実があまりにも悔しかった。

「クラスボール、あれはみんなのものだからこれからもみんなで使うようにって先生に怒られた。あと、あの変な戦いみたいなことももうやるなって。」

智也は布団から少し顔を出し、華音を見上げる。
その顔を見ただけで思い出す。
柔らかな胸の感触、吐息と汗と柔軟剤の香り。

またドキッとして、下腹部に変な力が入る。

「智也くん、ごめんね。仲直り、したいんだ。」

「...なあ、華音。」

「なに?」

「また、お前にリベンジしてもいいか?」

「え?ちょっと、聞いてた?先生が戦いはするなって言ってたんだよ?」

「女に負けたまま終わるなんて悔しくてお前と仲直りなんてする気になれねぇよ。だから、また、リベンジさせてほしい。俺が勝つまで、仲直りできねぇ。」

「もう、なにそれ?知らないから。」

華音はそう言うと立ち上がって保健室を出ていった。
智也は涙を拭うと、華音を追いかけるようにあるき出した。
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