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楼主: 樱·桃

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发表于 2009-3-2 05:23  ·  四川 | 显示全部楼层
岡田耕始

Atlus株式會社設立初時的核心成員,Persona系列的制作人.另外也擔當了諸如[真女神轉生][惡魔召喚師]等,所有女神轉生系列的制作人.在系列作中,擔任Persona系列劇本作者的里見氏,惡魔畫師金子氏都有登場的現在,也許下一個登場的人物將會是岡田氏吧?

岡村真夜

七姐妹學院的日本史教師.看上去覺得是知性與溫柔兼備的女性,其實卻有著Paranoia(妄想癥)傾向,在學生中被稱為イデアル老師.在[罪]中和橿原明成一起研究并執筆寫下了[イン?ラケチ],在他死后以此作為愛情的證明,繼續獨自進行著該書的研究.每天都研究著被認為是唯一通向シバルバー之路的鳴羅門石.

超自然

以魔術,超自然力等形成的神秘的事像.類似念力等的超能力,與靈界交流,占星術等等都被歸類為超自然的一部分.對超自然抱有著極深的興趣的英理子,對惡魔,神明等關聯知識有著豐富的積累.在御影市發生異變的時候有著最快適應能力的也是英理子.高中畢業后她也依然對超自然保有著興趣,在罰中也早早察覺到了在ワンロン占卜狂潮中隱藏的陰?
荻島美步

通稱美步。是七姐妹學園的女學生,也是LISA的同班同學。有著和苗條身材不相稱的暴飲暴食的愛好,被LISA和あさっち稱作“四次元口袋”。作為人氣偶像組合MUSES的一員和LISA一起過著豐富多彩的生活。在『罪』的世界里,由于假面黨的陰侄?蔀榱擞叭碎g。

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发表于 2009-3-2 05:23  ·  四川 | 显示全部楼层


社會或是組織中既定的規矩。榮吉與小孩們定下的規約一直嚴格遵守著。比如“作為男人絕不可以卑鄙地模仿別人!”等等。基本上是充滿男人氣概的規約。小孩子們似乎也一直遵守著榮吉所說的話的樣子。

姐姐

在達哉和淳的回想里登場,穿著水手服的少女。其實這是少女時代的舞耶。在阿賴耶神社和達哉他們相遇以來時時和他們一起玩耍。因為10年前的神社起火事件而行蹤不明,所以被淳他們當作已經死去了。

假面

10年前達哉他們作為假面黨玩耍時使用的假面。是當時電視中放映的人氣特攝片『不死鳥戰隊羽毛人』所使用的假面。由于最初大家相遇時就都帶著假面,所以就大家就一直帶著假面玩耍了。

卡瑪宮殿
在異界化的御影町黑色市場地下形成的宮殿,被從現實世界中來的情侶中的一人,香西千里化身的ハーレム女王支配著。由千里的愿望所創造的宮殿里每一處都掛滿了她畫的畫,起著滿足她強烈自我顯示欲的作用。

KAMA

印度神話里的***之神。乘坐在鸚鵡之上,射出愛之箭的男神。聽從了神的命令,使得濕婆和帕梵提結合卻被憤怒的濕婆用第三只眼燒成了灰燼。在名為『カーマスートラ』的***相關書物里也有記載。

海底遺跡
沉眠于珠聞瑠市海底的遺跡。從逐漸沉沒的日輪丸上順著方向用潛水艇前進就能到達。遺跡中充滿了空氣,即使不使用潛水用具也可以活動自如。在遺跡的最深部,還有新世塾為了達成目的所必須的,能夠控制龍的活動的要石被封印著。

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发表于 2009-6-5 21:49  ·  四川 | 显示全部楼层
――シナリオ練り込みってだいたい、結局どのくらい時間がかかったんですか?
里見 もう1年ぐらい、20稿までいきましたね。
岡田 20稿じゃ済まないんじゃないの?
金子 最初の修学旅行の話がすごかったよね!
里見 10人パーティぐらいで、修学旅行先で事故に巻き込まれて、
   他の学校の生徒とかも戦わなきゃいけない!みたいな。
金子 修学旅行って甘美なイメージがあるよね。
里見 いろいろなイベントに満ち満ちてますからね。修学旅行ネタは
   野望として持ってますよ。

――では、『ペルソナ2』がもしあるとすれば、どのようなものにしたいでしょうか?
金子 個人的には、もっといろいろあってもいいかなって思いますけ
   どね。社会人版とかで、「社員はペルソナ使いでセクハラ始めた」
   とか。若手社員がペルソナ出して戦ったりしてもいいと思うし。
   と、草野球的なのでもいいかな。
岡田 ああ、それいいじゃない。
金子 “ペルソナ打ち”とかね。
里見 “ペルソナジャイアンツ”とか。
金子 万年負けてたチームがペルソナを使えることによって勝つんだけど、
   最後は「自分でやんなきゃダメなんだ!」っていう感動的な。ボク
   『がんばれ! ベアーズ』好きなんで。あと、職業別とかっていう
   のもあったんですよ、実は。
里見 “ペルソナ刑事”じゃないですけど……。“ペルソナジョーンズ”
   とか。こう、冒険家の。
金子 あ、『インディジョーンズ』のことか!
岡田 なんだぁ、全然繋がらないから(笑)。
金子 ペルソナのレースってのは、どう?エンジンがペルソナなんですよ!
里見 ペルソナV6とかですか?
金子 そうそうそう!「おまえのはV16だな!」とか。ワケわかんないですけど。

――では、次が何が出てくるかわからないと。
岡田 まあ、でも、やっぱり、人、人がテーマ。

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发表于 2009-7-19 01:02  ·  四川 | 显示全部楼层
『罪』と「疵」



プレイした者は問う、何が”罪”なのか、と。

開発者は答える、その罪といかに向き合い、先に進みか、が重要なのだ、と。

ここからのインタビューは、ゲームをクリアしていないうちは決して開いてはいけない。

彼らの言葉は、ゲーム世界を語り尽くそうとし、

さらに現実世界へのフィードバックをも語るからだ。

取材・構成:飯田真佐史



ストーリ的には完結、しかし話には続きが



――――最初にいただいた資料には、詳細な人物設定がなされていました。これを読んで、ゲームをクリアした結果、僕の中にいくつかの疑問が生まれてきました。例えばそのひとつは、何故達哉が父を憎んでいるのか、という部分の説明がゲーム中になされていない。達哉の兄が、いつまで親父を憎んでいるんだ、とか言うだけで。

里見 実はですね、最初は達哉が主人公になっている視点と、舞耶が主人公になっている視点という2本立てで考えていたんですよ。それで、舞耶のほうを主人公に選んだ時には、達哉が舞耶の立場になるわけです。バンバン喋ってパートナーになるっていう形で。その時に、達哉がなぜそういう風になってしまったのかという設定の答えを出していく予定ではあったんです。



――――何と! それは、前作で言うと「セベク編」と「雪の女王編」みたいなものだったんですか?

里見 最初に考えてたのは、同じ時間軸で「罪」のお話があって、これを裏側から見るともうひとつのストーリーになってるっていうコンセプトだったんです。だけど作っている途中でどんどん変わってきちゃいまして、現状で考えているのは今回のお話の後を受けて別の話という流れで……○※☆△@♪#¥§=$。

――――ちょっと大変なことになってきました。まずは、今作の続編がでる、と。そこで今回謎になっている部分が解明される、と。

岡田 いえ、続編と単純に言えるわけではないんです。『罪』自体は今回で完結していますから。確かに今作で腑に落ちない幾つかの謎は、その作品で明らかになるでしょうけどね。

――――『罪』におけるエンディングは、様々なサジェスチョンに富んでいると思うのですが、それ自体は完結している、と。

岡田 そうですね。お渡しした設定には、「別の話」も含まれていたんですよ。

――――結局、シナリオの多くの、ある意味、その観念論的な部分の種明かしみたいなものを聞きたかったんですが、今その話を聞いてちょっと困ってる(笑)。

岡田 でも、例えば主人公の父親に対する憎しみは、裏設定を知らなくても、単純に淳の苦悩とかぶらせてもらってもいいと思っていたんですよ。誰もが父親にあこがれる部分もあれば、反抗する時期もあると思うし。

 結局、全部が全部知らなくても、初めて達哉の兄の言葉を聞いて「そうだったのか」っていうくらいでも構わないと思っているんです。達哉と淳が似た者同士というのではなく、単純に、息子と父親っていう仲をゲーム内で成立させながら、何か事情があるんだとプレイヤーが考えてくれればそれでいい。

――――淳が仲間になって、ある程度の全容が見えた段階までに、すでに通り過ぎてきた話が沢山ありますよね。そのゲーム内の過去には、プレイヤーはもう戻れないわけですよ。過去の、達哉と淳に関係するフィーチャーがどうだったか。いちプレイヤーの中では、そのひとつをとって「そういうことか」という風には納得しづらいのかなって気がするんです。ふたりが表と裏、光と影っていうようなものだっていうのは、実際にかなりはっきり自覚するのって、やっぱり仲間になるチョイ前だと思うんですよ。

里見 過去のことは、全部説明するわけにもいかないんで、スポット的に重要なところだけ抜き出して、その部分からユーザーが好きなように想像してもらえばいいと思っています。だから主人公=達哉のことは、本当に触りの部分と基本となるようなものしか出していないんです。

――――いずれにせよ、なぜ達哉が父を憎むのか、という疑問に対する具体的な回答は、次回作で明らかになる、と。

里見 それは△※☆@♪#¥○§=$。





イン・ラケチ設定の真相



――――「別の話」のことを伺うのは”また別の話”にするとして(笑)、今作が完結したひとつの話であるならば、なおのこと腑に落ちないんですよ、エンディングが。どうとでも取れる。取れるんだけれども、作り手の意図は知りたいんですよ。例えば、ニャルラトホテプが意味深なセリフを言いますよね。「誰しも夢を叶える権利があるか…最後まで幻想に縋り、自分と同じ名の女を捧げた」と。

里見 あれは、イデアル先生がそういう夢を持っていると。で、舞耶は誰しも夢を叶える権利があるよって最期に言うじゃないですか。ならば、それがイデアルの夢なんだから、それも叶えられる権利があるだろうって。だから、皮肉ですよね。お前、何でも誰でも叶える権利があるっていうなら、この女の夢も叶えられる権利があるだろうって。

――――で、一回地球ぶっ飛ばすという凄いオチに持っていくと。

里見 ええ。これもイデアルの夢なんです。

――――すみません、オチを説明してもらえてようやく納得しました。

 ところで、イデアル先生が探偵事務所で解説する後くらいからストーリーが劇的に変化しますよね。そこまでは学園モノのノリを引きずったままプレイしているんです。ギンコ助けなきゃ、とか思いながら。でも、そこから急に「え、イン・ラケチぃ!?」って。ずっとマイヤの託宣って何だよ、とか思いながら、それでもゲームの広がりは推測できる範囲なんです。ところが急にイン・ラケチは、シバルバーが、とか言って解説されますよね。須藤の台詞では良く分からなかったのをイデアル先生が解説する。全部メモってみたんですが。読んでもやっぱり良く分からなくて……。イン・ラケチ自体は、トンデモ本と書いてあるし。そのギャップに悩みましたね(笑)。

里見 最近、マヤ文明とか終末思想の本が良く出てますけど、それらを自分で読んで、つなぎ合わせて作ったんです(笑)。

――――里見さんが自分で考えたトンデモ本なわけですよね。

里見 そうです。

――――プレアデス星系人やシバルバー、ボロンティックとかラストバタリオンっていうのは全部、実際にある言葉なんですか?

里見 そうです。シバルバーはマヤの神話で言うところの冥界ですし、ラストバタリオンというのは良くオカルトの本なんかで話題になってますけど、ヒトラーが最期に逃がしたんじゃないかって言われているエリート部隊のことですね。ま、そういう歴史的な噂みたいなものです。

金子 今回ベタなのはね、”歴史的な噂”なんですよ、あえて言うなら。ここ、重要ね。ベタなものだから今までやらなかったとかじゃないんですよ。それらが”歴史的な噂”だから、触れたんだな(笑)。

――――なるほど!!

金子 グランドクロスもそうです。

里見 オカルトの話やトンデモ本で、ナニナニに違いないとか言ってるものって、大概期待や希望的観測が混じってて、あるところでいきなり断定口調で、どんどんどんどん断定された世界が広がっていくんですよ(笑)。ノストラダムスの大予言もそうですけど、各人の解釈の仕方で内容が全然違うじゃないですか。でも、そういう誇大妄想によって、周りの人間が動かされるのって、歴史的な事実なんですよね。その広がり方が面白いのでモチーフとして出していきたいな、と。それと、?殼?浃恧Δ趣筏皮渴陇蚩激à皮い?^程で、いろんな本を読んでみると、ヒトラーがナチスで実際にやろうとしてた事と被ってたんです。それでラストバタリオンとかロンギヌスとかってオカルト的な要素の噂を絡めつつ、登場させたわけです、第3の勢力って形で。

――――第3勢力=帝国と掛けている、と。急な展開のようで、計算尽くしだったわけですね。

里見 いつまでも身の回りの小さな噂だけじゃ、みんな飽きるでしょうから(笑)。





ニャルラトホテプの存在意義



――――話は急に誇大化したけれど、シバルバーっていう所が珠間瑠市の地下にあって、そこにきっと行くんだろうって予測はつく。で、実際にそこに行く。シバルバーとは結局何か、淳の父親だと思っていた橿原とはいったい何者か、そしてラストボスは何者かという謎を解明するために進んでみると、再度ニャルラトホテプ。そういう気はしたんですが、倒した後に、僕はある意味凄く裏切られたような気分になったんですよ。固まりかけたっていう。

金子 え、どの辺で固まったの?

――――倒した後に語り出す場面です。今までの作品ではルシファーも「VHVH」だってブッ倒してたじゃないですか。それが、平然と語り出すっていのに、僕はかなり違和感を感じたんですよね。

里見 ニャルラトホテプは、要は社会の影(シャドウ)なんです。無意識だ何だのっていうキーワードが出てきますよね。実際、各個人に無意識があれば、社会全体が作る社会的無意識っていうのもある。悪や罪という考えもそのひとつなんです。で、最期の敵って何だろうって考えた時に、ニャルラトホテプに社会を擬人化させたような存在として設定づけしたいなと思ったんですよ。RPGって敵を全て倒すじゃないですか。でも実際に考えたら、倒せない敵ってのがいるほうが普通なんですよ。それって何だろうって考えたら、若い人達がこれから出て行く社会じゃないのかなって思ったんですよね。

――――……深いなぁ。つまり、『ペルソナ』シリーズにおけるニャルラトホテプというのは、最終目標でありながら、常にこのゲームの深いところで存在しているわけですね。僕は今までのシリーズをずっとプレイしてきてるから、作品ごとに悪魔の役割が変わる度に結構戸惑うんですよ。ニャルラトホテプも”ルシファーじゃないの”って穿ってみたり。

金子 ペルソナシリーズのルシファーにしたいんじゃないの。

里見 役割的にはそんなところです。みんなのネガティブマインドの集合体。心の中の悪の象徴ですね。

岡田 だから余計、『罪』は本来だったらもっと前作でやりたかったことなんですよ。前作は、今までの『真・女神転生』に近いところにどうしても引きずられちゃってて。その反省を踏まえ、今作ではベクトルが違うものを最初から目指したんです。みなさんどうしても『真・女神転生』との比較をされてしまうので、もうこれは違うものなんですよ、と。

里見 ゲーム的にキャラクターとして立ててはいますけど、結局ニャルラトホテプも我々自身。誰にも良い心があれば悪い心もある。そういう内面の矛盾を記号化した存在なんです。

金子 まあ、トリックスターなんだよね。民話や神話、何でもそうだけど、物語でそういう役割の人がいたら描きやすいし、面白いですからね。だから何にでも出てくるんですよ。まあ、「クトゥルー神話」でいうところの役割で言うと、1000の顔を持つ神なんで。今回はその中のひとつのマスクを倒したという感じなんでしょうかね。

――――でも、完全に倒せてはいないんだ。

金子 まあ、それもひとつの顔なんで。

里見 それもヤツ。まあ……

――――やっつけたと言うか、見たというか。一部の本質というか……。

岡田 一面を見た。

金子 1000の顔を持っているんですよ。ミス・マスカラスですよ(一同爆笑)。仮面貴族ですよ。

――――そういえば、ペルソナとは仮面tのことですよね。今回は、その仮面が凄くストレートに表現されている。思い出の部分で、キャラクターがお面被って。

金子 あのお面は、戦隊モノだよね、フェザーマンだっけ。

里見 お互いの素顔を知らないっていう設定を立てるために夏祭の神社で売っているようなお面をみんなに着けさせたんです。夜一晩遊んだことがきっかけで、あの仮面を着けてるから彼らは一緒に遊ぶことができた。

――――彼らはお互いに素顔を見てたんですか。

里見 いや、知らないです。会ってる時は、常にお面着けてました。だから、仮面党なんです。顔を隠してないと、遊べなかったんですね。各々があの時代からコンプレックスがあって、ギンコとかも栄吉とかも素顔では喋ったりすることはできなかった。

――――だからお互いが、記憶が消えているのもあるけど、顔を見てもピンとこないのは、そういうところから求められるってことですね。顔を見ても、それが記憶のフィードバックに結びつかないと、達哉と淳以外は。

里見 あのふたりだけです。でも出会ったのは、仮面党を作った時です。

――――その前に、ショーウインドウの前で宝物を交換するシーンがありますよね。

里見 あれは、時間的には仮面党というのが作られて、舞耶と出会った後の状態ですね。ブランコの周りで3人で話しているイベントがありましたよね。それの直後なんですよ。

――――あそこで出てくる、あのオジサンは。

里見 あれは実は……○※☆△@№Å★♂〒♪#¥§=$です。





結末の解釈



――――仮面がらみでもうひとつ。最後にフィレモンが仮面を取った時、顔が達哉と同じ顔だったっていう、その理由を教えてください。

里見 フィレモンの存在っていうのが、人々の意識と無意識の狭間にいる存在なんです、ニャルラトホテプと反対の。彼は主人公の側について彼らを導いていたんです。人のポジティヴな心の象徴なので、主人公をそのまま映し出しているという訳です。鏡のようなものです。だからお話のメインが栄吉だったら、仮面を外したら栄吉の顔になるんです。

――――今回は思い出や記憶がキーワードとして重要ですよね。ゲーム内で展開される、個人的な思い出の蓄積という演出に対しての考えを聞きたいなと。

里見 思い出っていうのが結局その人を作っていきますよね。で、彼らに対しては一番大事なものとして位置づけていた思い出がなくなってる状態から始めて。イコールそれを思い出して、そこから進んでいくって事を彼らの成長としたかったんです。

 自分としても、辛い思い出とか、楽しい思い出はもちろんあります。辛かった思い出って、いつもは無意識のうちに心のどこかに追いやっている。でも時たま蘇るんですよ。凄いブルーな気持ちになったりして。そういう、誰しも経験しているような部分をドラマチックに色づけして。後は、過去があるから今がある、それが自分を作っていくんだよっていうメッセージを込めました。

岡田 開発中に集団的無意識について議論したんですけど、里見は「嫌なものは全部忘れちゃうんですよ」って言うんですよ。いくらなんでも、全部が全部忘れないだろうって(笑)。「人を殺しちゃった事までそう忘れないよ」って。実際は殺してはいないんだけど。だから全員が思い込むんじゃなくて、ギンコは薄々気がついていた。栄吉は完全に夢だと、自分が思い込んじゃっていた、自分の中で。で、主人公はあえてプレイヤーとして本当に記憶はないものとして、という設定に代えたんです。そうすることでキャラクターも立ってきましたね。

金子 人間とかキャラクター性ってのを出すところでは、彼らは記憶の設定って絶対必要になってくるから。深く掘り下げるというよりは、関わらざるを得ない。そういう問題じゃないかなあと。

岡田 『ペルソナ』に出てくる主人公達って、要は高校生な訳でしょ。現実ではその頃って、凄く多感な時期じゃないですか。良いも悪いも含めて記憶の容量が多いんですよ、大人とは比較にならないくらい。ちょっと大袈裟に言えば、この頃の経験が、その人の人間形成に大きくつながっていると思う。ゲームのテーマとしては、そういう部分も含めていますね。

里見 それにも関わらず、あえて最後にリセットするという形を採ったのは、彼らはああいう生き方してあのような結果になりましたが、そういう事が貴方にもあったんじゃないのっていう問いかけも含んでいます。今は忘れちゃっているかもしれないけど、何かそういう大変な事が会ったかもしれないよ。そういうの、思い出してみてっていう。それから、先に歩いていこうよっていう意味で。

岡田 リセットするというストーリー設定でもいい意味で議論があったんです。これって相当裏切るよねって話jはしてて。それでも、そういう設定をあえて提示して、考えてみてもいいんじゃないのかっていう話をしたんです。

――――プレイヤーの中には、大切であるはずの思い出をリセットするっていうことに対して、疑問を持つ人もいると思うんですよ。そういう人に対しては、納得のいく解釈の仕方ってのはあるんですか。

里見 ストーリーを通して考えてもらうと、凄くフラストレーション溜まる話だと思うんですよ。まあ、裏切られたって先ほどおっしゃってましたし。挫折の話なんですよね、自分の中の位置づけとしては。大人になる前の挫折。まあ、今回の話は彼らにとって大人になるための、イニシエーションなんです。

 彼らは、失った記憶を思い出していくことによってアイデンティティを確立していく。ところが、せっかく取り戻した思い出とか絆をもう一度なくさないと、大切な人達が帰ってこないっていう状況に追い込まれちゃう。そういう大切な思い出を、みんなで決めてリセットするという結末です。でも、彼らはそれに負けないで先に行こうって決めますよね。そこで終わるんじゃなく、それを越えて先に行くために一回戻るんだ、だからニャルの思い通りにはならないって。

金子 ある意味ハッピーエンドだし、反面、逃げにもつながるのかなとも思っちゃいますけどね。

里見 それがいいことだったのか悪いことだったのかは、それこそプレイした人の数だけあると思うんです。確かに、最後に大きな罪を犯したとも取れますし、自己犠牲の英雄的な行為ともとれる。世の中って、「どちらを取ってもマイナス」という選択を迫ることが多いですよね。それをどう仱暝饯à毪韦??ⅳ饯稳摔紊??饯驔Qめるし、仱暝饯ǚ饯猡饯欷兢欷扦埂¥郡馈⑻颖埭苏?堡世碛嗓蛴毪à瑜Δ趣筏郡辍⒆约合訍櫎丝啶筏螭扦狻⑶挨诉Mもうとしているなら、まだ捨てたもんじゃないとも思うんです。そういう部分も含めて問い掛けてみたかったんです。

金子 俺なんか、彼らは自分達というよりは周りのために元に戻そうみたいな感じなのかなって捉えたんですけど。自分達だけが可能なんだから、大切な人を助けるために自分達の記憶を犠牲にしたって解釈してますけどね。

――――彼らは人のためにある種の自己犠牲を選んだ、と。それでも負けないで進んで行く。凄く示唆に富んでますね。……とても納得できる解釈を聞かせてもらったところで時間になりました。本日はどうも有難うございました。

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『罪』の眞相



前作より約3年、”ペルソナシリーズ”

としての新しいパラダイムを確立しつつある本作は、

いかにして生まれ育てられて

我々の目前に現れたのか。岡田、金子、里見三氏

がその開発過程の記憶を、今

我々の前に提示してくれる。時としてそれは愉快な一時だった。

取材・構成:飯田真佐史



ゲームを形作ったコンセプトとは



――――前回のオープニングでのフリは「我思う故に我あり」だったんですけど、今回はドッペルゲンガーの詩ですよね。今回はどうしてドッペルゲンガーをテーマとして提示したんでしょう。

里見 あれは、ハイネの詩なんです。初めて読んだ時に自分でそこの絵を思い浮かべてみて、切ない気分になったんですよ。

 今作では、コンセプト段階で仲間達に共通の過去を持たせようと考えたんです。で、それを昇華していく上で「ドッペルゲンガー」という詩をモチーフにして、舞耶と?殼去药`ローの関係が出来てきたんです。その詩を読んで感じたのは、悲しい記憶の中に住む自分の影。それに、他人に投影される自分像というものを絡めて、シリーズと押してのテーマである「自分探し」を表現していきたいなと思ったんです。

岡田 コンセプト段階で、「いや、これもうドッペルゲンガーしかないよ」って(笑)。

里見 自分をこう変えていきたいっていうのがあって、自分の中に作られていく幾つもの自分というのは誰にもありますよね。それとは別に、自分自身の存在っていうのが自分がいないところで作られることも多いじゃないですか、有名人とか特に。自分とは全然違う自分像が街の中で突っ走っちゃってる、という状況を噂という形で表現していきたいな、と。

金子 まあ、先入観ですよね。先入観が入ると本当、そういう風にしか見えないっていうことは多いですからね。

――――それを、モチーフにして作ってみるとどうなるだろうっていう……。

里見 そうですね。ジョーカーも、周りの人間によって?殼悉饯Δい︼Lに変わっていってしまったという表現してますし。まあ、仕掛けたのは○ャ○ラ○ホ○プなんですけどね。(編集註:冒頭なので伏せ字。)

――――ペルソナの存在自体に関しては、前作と同じ設定なんですよね。自分の中にあるものに対しての問いかけ、というのは変わらない、と。

里見 ええ。自分の中にいる別人格っていう。その中には神もいれば悪魔もいるだろうっていうところからきてますね、ペルソナは。

――――今回はそれ以外に、様々なモチーフが使われていますよね。ホロスコープとかギリシャ神話、ネオナチ、マヤ文明、宇宙人……。これらを使うきっかけは何だったんですか。

金子 ギリシャ神話というより、占星術をやろう、と。「グランドクロス(註:’99年8月18日に太陽系の惑星が地球を中心に十字になった現象のこと。この時がノストラダムスの大予言の日であると一部で騒がれた……)だろ、やっぱり」って(笑)。恐怖の大王じゃんかっていう話を、ね(一同爆笑)。今更ねぇ、って思ったけど、逆に今までやってなかったからね、逆にそこが穴だなと思って、じゃあ占星術いってみようかって。今までは、どこのメーカーもやってるからやらねぇよ、って気持ちだったんですよ。で、むしろやってなかったんでやろうかって(笑)。学校の名前なんかも星から取ってきて、その流れで決まってたよね。

 マヤカレンダーとかいうのがあって、マヤの文明は星にかなり影響受けてるよって話をしたら、じゃあマヤ絡みもういこうかってノリで。

――――で、マヤと第三帝国も同じだろう、みたいな。

金子 里見がね、『ヒトラーとロンギヌスの槍』って本にハマったんですよ。「Uボートでマヤ文明の地に何か、隠したんですよ」とか言い出しちゃって。まあ、俺もそれ読んでたから分かるけどさあって。ドイツのハプスブルグ家が所蔵しているらしいとか。でも、ロンギヌス自体は随分前から出てますよね。『真・女神転生』くらいから。

金子 ナチスよね。武器としてはずっと存在してますからね。

金子 ナチスに関わる噂も手を出してなかったから。あえて避けてたんですけど、この際行っとこうかーみたいなのがあって。各モチーフの見せ方は、自分らなりのアレンジなんですけどね。

 話を戻して、占星術となるとやっぱりギリシャ神話とか、ローマ神話とかね。で星座それぞれに名前がついてるんでストレートにアポロだとかね。

里見 あれはマヤの占星術を追いかけてたら出てきたペルソナなんですよ。それぞれの星座には守護星ってのがあって、獅子座だったら太陽とか。で、太陽を象徴するのはギリシャ神話ではアポロなんですよ。

金子 要するに、主人公達は、グランドクロスの時に附合した星を持つキャラクターなんですよ。で、グランドクロスの時に何かを起こすのが、マヤ文明に潜む第三帝国の残党だ、と。マヤ占星術から追っかけていったら、「アポロなんですけど」、「えーっ」って(笑)。じゃあ、今回はギリシャ神話もいってみようかって。

――――最初は占星術から始まった、と。

金子 花言葉っていうテーマもあるんですけどね。

――――花言葉! ジョーカーの残す、あれですか。

金子 僕、一番そこを押したいんです(一同爆笑)。

――――先日、金子さんの本棚を見た時に、花言葉の本が4、5冊ありましたよね。

金子 一生懸命調べたんですよ。

――――どうして花言葉にそんなにこだわりたかったんですか。

金子 いや、何かいいじゃないですか。今日は何の花の日ですとかあるじゃないですか。そうかーって。

――――似合わねー(一同爆笑)。

金子 ホントはね、設定上の?殼?长摔悉嗓Δ筏皮猊膝顶蓿ㄔ]:『真・女神転生if…』のキーパーソンでありラストボス)と被るんですよ、凄く。

 悪の行動理念って追求していくと、結局同じところに行き着いてしまう。その究極の形がハザマだったんですよ。でも、それ自体は、ハザマの時点でもうやり尽くしてる。神取も言ってみれば似たようなモンなんです。で、?殼猊?悭楗?咯`作りの過程で、凄く被るところあったから。ハザマとの差別化を図るために、個性をつけなくちゃいけないじゃないですか。そういう意味でジョーカーっていうのに、花を投げてメッセージを託すとかっていう、悪の形態の差別化を図ったわけなんですよ。

岡田 ”日比谷花壇”(註:東京の有名な花屋)とタイアップしようかと思ってたんだけどね(笑)。ペルソナを花で飾ってもらって、花言葉は……。

金子 「復讐」とか。そんな花、買わねぇんじゃないかな(一同爆笑)。







多彩なキャラクターについて



――――今作で一番感じたのは、キャラクターが非常に雄弁になっているな、と。沢山のキャラクターが登場して、とてもよく喋りますよね。

里見 キャラクターを前面に出していきたい、というのが最初の意向であったんです。岡田からも、「このシリーズはキャラだ」と言われてもいましたし。身近な、等身大の描写をしていくために、もっと立てていかなくちゃいけないだろう、って。

岡田 キャラを立てろとは言ったけど、雄弁にしろとは言ってないです(笑)。

――――とにかくひとつのイベントが終わるたちに、いろんな場面に出てくるキャラクターが違うこと喋ってる。ショップに入っただけでもう違うこと言ってる。変わらないのはトリッシュぐらいで(笑)。他は、ガンガン変わりますよね。

 で、そこでポロっと言ったりする台詞に何か隠されてる。噂がポッと出てきたりするじゃないですか。今までは、悪魔合体とかが遊びや攻略のメインでしたが、『罪』はシナリオで遊ぶ比重が大きいのかなっていう気がするんです。

里見 システム上のストーリー、という部分であれば、今まででもいろんな形でやってたんですが、今回は『噂』というテーマが最初にあったので、従来以上にシステムに絡めていますね。ストーリーとシステムがリンクしているんです。

――――プレイスタイルに物凄く大きな影響があった気がするんですよ。世界で何が起こっているかとか、どういう状況にあるかって。自分で歩いて世界を見ていかないと知ることはできないよ、っていう部分が。

里見 「噂」というコンセプトを表現する上で、メッセージの量が増えるってのは、最初から覚悟してたんですが、そのシステムとシナリオを煮詰めていく段階で、噂を表現するためにはどうしても他の人の話とか聞けなくちゃいけませんよね。

 それに、お話が進んでいけばそれだけ行ける場所が増えてきちゃうんで、それに伴ってネズミ算式にメッセージを変更しなくちゃいけないとかっていうパートが増えていってしまって(笑)。結果的にメッセージの量も多くなったかなあ、というところではあるんですけど。まあ、基本的なお話を進めていく上では、必ずしも全部のメッセンジャーから話を聞いたりする必要ってのはないように作ってはあります。ただ、もっと、その、世界を知りたいとか街の動きを知りたい。噂の流れがどうなってるのか知りたいとかっていうところで、聞きたい人は聞いて下さい。その代わり、聞いたらそれなりに……返ってきますよっていうところを提示していきたかったっていうのはあります。

――――それに従って、サブキャラクターも個性たっぷりですよね。インターネットの関連ホームページでもいろんな書き込みがあるらしいですよ。

里見 あさっち大好きとか、噂屋のチカリン大好きとか、あるらしいですね。

岡田 なんか、チカリンは人気があるよね。

里見 かなり気に入られてるみたいですね。

金子 ハナジーが痩せた絵は、老けて見えるとかそういうのはないの?

里見 そういうのは、まだ(笑)。

金子 太ってる時の方が可愛いと思うんだけどね。

――――そういえば、今作はアトラスの別作品のゲームのモチーフがクロスオーバーしていますよね。というか、オールキャストですよね。葛葉探偵事務所は出てくるは、学園祭では今までの作品の全部の制服が出てくるは、”豪傑寺”はでてくるは(『豪血寺一族』……アトラスの非岡田x金子作品)。今までになくクロスオーバーが激しいって印象がありましたね。

金子 なんなんでしょうね。

岡田 あの辺、いろいろな反応があって……。

――――御影町は、珠間瑠市の隣にあるのか、とか。

金子 ちょっとやりすぎだよね、正直言って(一同爆笑)。それよりやっぱり俺は、葛葉探偵事務所のね、バイトが許せないね、やっぱり(一同爆笑)。ちょっとね、ちょっとお前、ここに時間かけ過ぎじゃないかっていう気がしますよ(笑)。前作時に、マークがキョウジのTシャツ着てたのは、あの世界では『デビルサマナー』が漫画になっているってイメージだったんですけど、あそこまでやっちゃうとちょっとねぇ。

――――探偵事務所は里見さんがリードして?

岡田 リードっていうか暴走っていうかね(笑)。

――――岡田さんも金子さんも知らない間にああなってたんですか?

岡田 いや、そんなことないっすよ。やっていいですかって言うんでOK出したら……。

金子 まさか、あそこまでやるとは(一同爆笑)。瞬間ターボかかりましたからねぇ。

岡田 「暴走列車は走る」だよね。止めようとしたら引きずられちゃったね、ガーッて。

――――その後の、あの、正義の味方になって出てくるところとかも。

金子 あそこは『キャッツ・アイ』なんですよ(一同爆笑)。間違いないですよ。

里見 あの、最初は、もう御影町っていうのが珠間瑠市の中にある、くらいの形でいっちゃっても良かったのかなっていうのがあったんですよ。まあ、そこら辺はそうやって遊んでいただくのもありかな、というところで。

――――でも、いろいろ真面目に関係性を考えてる人も多いんですよ。僕も『if…』まではかなりこだわってましたから、そんな人達のことを笑えないっていうところもあるんですよね。意味あるんじゃないかと勘ぐる人達を笑えないで。で、おそらくそういう人達って結構多いと思うし。

里見 いろいろ伏線張っておくのもありかな、と。

金子 伏線張りすぎだよ(一同爆笑)。次でタダシ君消えていいから(笑)。

里見 いや、やっぱ憎まれっ子はずっと世にはばからないと。

金子 世にはばかるんですか? 次の何かの設定で殺された方がいいんじゃないの。

――――(笑)タダシくんの是非はさて置き、”噂”を含めて人間ドラマを作るために、名前がある者だけでも70数人という、普通だとかなり多いキャラクターを意図的に出していると。

里見 そうですね。後は、街の雰囲気を出していきたかったなっていうのがあって。今回、武器屋だけでも5軒とか。まあ、システム上のカテゴリーで言ったら武器屋なんでしょうけど、それが、全く同じ見せの品揃えが替わっていくだけより、全く違うお店が噂で武器屋さんになっちゃう方が、場所の雰囲気も出るだろうし面白いかな、と。そういうところの絡みで膨らんでいったんです。

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罪と檻



罪と罰の交錯する世界は、現実のメタファー。

プレイすることは、世界と接すること。

生まれる感情の起伏は、現実世界へとフィードバックされる。

空想と現実の間を、軽やかに跳躍する彼ら。

その言葉は時に冷ややかだ。そしてその瞳は常にあたたかい。

型にはめられることを拒む、本当の大人達の言霊。



text:Ken-ichi Shinjo



『罰』における”大人”と”占い”と”自分さがし”



――――前作が”ジュブナイル編”とすると、今作は”アダルト編”にあたるものですが、制作上、特に意識されれたことはありますか?

金子 「大人とは何ぞや」って話はしたよね。

里見 自分、もう30歳ですよ。かなりブルーです。人生の絶頂期は、27歳だと思ってたのに。

金子 そのころ最初のペルソナだよな。

里見 その程度なのかなあ、って。

金子 その程度って言うなよ(笑)。

岡田 里見あたりの年代って言うよな。「30なんすよー」とかさ。

里見 すごい壁なんですよ。

――――里見さんは30になったばかりですか?

里見 5月に。

金子 牡牛座? 動物占いは? オレは猿。

里見 俺は、羊。

岡田 小鹿。(一同爆笑)

――――ちゃんと自分のを知ってるんですね。

岡田 でも、もう今更じゃない?

金子 今は何? 寿司占い? 昆虫占い?

――――家電占いってのもありますね。

里見 ありますね。ワープロとか掃除機とか。山手線占いとかもありますよね。パン占いとか。俺、食パン。

――――詳しいですね。

里見 いや、色々調べましたよ。

岡田・金子 今回は、占いのゲームだから。

――――そのアイディアは?

岡田 大人ってとこから始まって、大人の女性って……。

金子 結構、気にするじゃないですか。血液型とか。そういうのに支配されちゃってる。

里見 大人のほうがこだわるでしょう。というところが発想のスタートですね。

――――何故、大人のほうがこだわると?

岡田 自分を見失いかけてる状態なんだと思う。朝から占いの番組観てから出かけるとか、今日の邉荬撙郡い胜猡韦俗苑证蛭?亭沥悚ΑW庸─稀ⅳⅳ螭蓼暧绊懁丹欷胜ぁ=瘠稀⒆苑证趣いΔ猡韦?嗓螭嗓笫Г铯欷皮い啤⑸?螭胜猡韦宋?亭沥悚?A向にある。その象徴として、占いがあるんでしょうね。「これこうだ」って言われると「そうなんだ」って受け入れちゃう。そうした現状を、思いもしなかったような噂みたいなものまでもが現実化してしまうというゲーム内の状況につなげた。

――――「JOKER占い」した者がJOKERになる、とテレビ番組で言った途端に、JOKER化が加速していく辺り、かなりリアリティがあって恐かったですね。

岡田 『罪』のときから、マスメディアの影響は大きいよねって話をしてたんだよ。インターネット利用者が増えてきてはいるけど、まだテレビの影響力が一番強い。そこで話題に上っちゃうと、一気にそっちに行っちゃう。そういうのをストーリーに入れたかった。今の日本を象徴していて面白いからね。

里見 何でも型にはめないと安心できないんじゃないかって話もしてました。本当はそんなに型にはまるものじゃないんだけど、型にはめないと安心できない。何か決断するのは勇気がいるし、とてもパワーがいる。「お前はこうだ!」って言ってくれる人がいないと安心できないんだろうな、この社会は……っていうところから「占いがいいんじゃないの」って話になったんです。

――――大人になるということも、大人という型にはめていくということなんでしょうか?

里見 本当の大人っているのかなって考えると、どんどん分からなくなりました。「呙?盲皮いΔ韦献苑证亲鳏盲皮い?猡韦馈工盲蒲预い胜?椁狻⒆苑证瘟Δ袱悚嗓Δ摔猡胜椁胜い长趣盲皮ⅳ辘蓼工瑜汀L?Lが来たりとか、以前、岡田が「受け入れつつかわす」って言った事があって、物事って、一元的には考えられないと思うんですよ。これが正義だ、悪だ、とか。幸せだ、不幸だ、とか。それは、その人の見方によって全然変わってくる。だから、あらゆる状況を、自分に合った見方をして仱暝饯à皮い?长趣?扦?毪韦?笕摔胜螭袱悚胜い巍ⅳ盲平Y論しました。

岡田 ”真の大人”とか”理想の大人”っていうんじゃなくて、日本の現代社会の大人はこうなっている、という皮肉的な表現も含めてる。”自分というのもを持っている”というのが、今回『ペルソナ』を作った側の”大人”の見解なんだけど、今の日本の大人は、占いとかマスコミとかそういうものに支配されちゃってる。

 教育にしても、大人が子供に対して「勉強しなさい」って言って、一律に同じモノを与えちゃってる。だから、それから外れると自分はもうダメなんだっていうことになっちゃうから、バットで殴っちゃったりする事件が起こるんだろう、と。日本は人生に選択の余地があって、ある程度自由に、みんなそれなりの可能性を試せる国なのに、大人たちが画一的な教育によって、子供を型にはめちゃってるところが問題なんじゃないか、そうして、型にはまった大人達が量産されていくことが問題なんじゃないかっ……って。

――――自由がありすぎて型を欲しがってると?

岡田 そうそう。

里見 何していいかわかんないんですよ。昔は、農家の家に生まれたら継ぐんだ、侍の家に生まれたら侍になるんだって決まってたじゃないですか。

岡田 そこまで昔にいっちゃうとさ(笑)

里見 身分って言うのは、いわゆる型じゃないですか。今の時代は自由で平等でって言われちゃってるので、逆に何していいかわかんない。そこで、型を欲しがってるんだろうなって思うんです。そんな中で、自分のやりたいことや、自分自身を見つけていくのは大変だと思うんです。それが出来てないから色んな歪みとか起きてるんじゃないのかな。

岡田 今まで表向きにはあまり言ってなかったけど、作ってるテーマとしては、『自分さがし』。

――――それは、『罪』のときから?

岡田 そう、『罪』のときは、学生の立場から自分さがし、今回の彼らは、色んなものを背負って大人になっていても、自分というものをしっかり持っていなかった。彼らはストーリーの中で成長していって、トラウマになっていたものを癒していく。大人になっても自分さがしをやっているっていうのを表現しつつ、大人になっても自分をさがし求めて欲しい、というメッセージを入れたんです。

――――『罪』の最後での決着を越えても、再び新たな問題に直面する、そういう繰り返しの含みもあるんですね?

岡田 そうです。







因果としての、『罪と罰』



――――淳達は、記憶的に融合した形で描かれています。すると、『罪』の世界の淳達は?

里見 自分の中では、結論がありますよ。でも、語るべきじゃないって思うんです。物事は一元的に語れない。でも、みんな型にはめたがってる。だからこそ、明確な結論を提示しちゃいけないと思ったんです。エンディングを見て、どう感じたのかを考えてほしい。

岡田 元々『女神』のやり方でもありますけど、ユーザへポンと投げ掛けてる。

里見 「これはよかったんですか?悪かったんですか?」って求める人と、それを自分で一生懸命解釈してそこから進もうとしてる人がいるんですね。人生っていいことだけじゃない。悪いこともあるし、辛いこと、堪え難い別れっていうのもいっぱいあって、それをずっと引きずって生きていかなきゃいけない。いい、悪いって言えないと思うんですよ。

岡田 今の人って、リセットボタンを押すように、過去を完全に無視する傾向があるように思う。前向きに気持ちを切り替えるならいいと思うけど、過去をすべてなしにしてしまうのはいけないと思うんです。いいことも、悪い事も、過去を背負って前向きに進んでもらいたいと思うんですよ。

里見 彼らが『罪』の世界から『罰』の世界を創ったという部分は、逃げだったとも、人々を助けるための前向きな苦渋の選択だったとも考えられる。「逃げるな」って言うのは簡単ですけど、すごく辛かったら逃げてもいいと思うんです。例えば、不登校、その痛みは、その人にしか分からない。ただ、逃げた先で必ずしわ寄せがくる。ツケは払わなくちゃいけない。そういうことも『罰』では言いたかった。

岡田 罰という言葉には、悪いイメージがつきまとうけど、必ずしもそうじゃない。ゲーム的に言えば、罪という原因に対しての結果、因果関係を成立させる言葉なんだよ。

里見 生きている事を全部が罪であり罰であるっていう風に考えていたんです。

岡田 里見も最初の頃は、原発とか***的な話とか、凄いのを考えてたんだけどね。(笑)







痛みを知る『ペルソナ』



――――今回、占い屋の名前が”珠間瑠ジニー”になったのは、倫理的な規制を考慮されたんですか?

岡田 そう。でも、そういう言葉だけじゃなくて、いろんな部分の問い掛けとして、あえてギリギリのところを狙ってやってきた。倫理とか子供に対する影響とかを、もっと真剣に考えるために。新聞で読んだんだけど、1日3時間以上ゲームをやってる子供に絵を描かせると、人が空を飛んじゃうようなありえない絵を描くからゲームは悪い、なんて書いてあった。すごくファンタジックな想像をするのが悪いってね。

金子 「悪い」って書いちゃいけないね。

――――片や想像力がないって言うんですよね。

岡田 そうそう。

里見 それが、”型”ですよね。

岡田 倫理的な部分にひっかかる表現があったとしても、悪いことを促しているつもりなはい。君はそれについてどう考えるの、って問題提起しているんだよ。作品を通しての問いかけとして必要なんじゃないか、ということで、社会的な問題や、倫理的な問題を投げかけている。

――――うららがJOKER呪いをする辺りのことも含めて、人の痛みが分かるかどうかというのも重要な部分ですね。

岡田 『ペルソナ』では、そういう心の問題や言葉の問題も取り上げてる。***にしても、殴られたことがあれば、殴ったときに相手がどうなるか分かると思う。分からないからバットで殴ったりナイフで刺したりするんじゃないか、実際の感覚がないからこそ安易に行動に移しちゃうんじゃないか、って話をしてた。人を中傷する言葉だって、傷つけることが分かっていて使うのと、分からないで使うのとじゃ全然違うと思う。

――――牧村が捕まって克哉が殴ろうとしたとき、パオフゥが殴るじゃないですか。パオフゥのほうが人の痛みを知っているからこそ殴れて、克哉はパオフゥが殴らなくても殴れないんじゃないか、という気がします。

岡田 各々の考え方があっていいと思う。これだという答えはないんだから、色々な場面で感じ取ってもらい、それを自分なりに考えてもらえると嬉しいな。







キャラ作成



――――うららから女の嫌な部分を感じますが……

金子 あれは、実体験ですか?

里見 どうなんでしょう(笑) うーん、まあ、ねえ。ひどい目にあったりもしますけど……ともかく、うららは一番身近なキャラではありますよね。

金子 その辺、聞きたいんだよ(笑)

里見 いやあ、ほんと、マジで、サイコセラピー行こうかなと思ったんですよ。トラウマになってるなって最近感じていて……(残念ながら、中略)

――――(爆笑とため息の後)……人に歴史ありですね。ところで、キャラはどうやって作るんですか?

金子 必ずしもってわけじゃないけど、シナリオのテーマを表現するための雛形を里見が考えてきて、それに対して絵づけする上でのアイディアを入れる。そこでのギャップが面白い感じに出てくるのかなと思いますね。うららは、古内東子の歌を聞いて喜ぶOLの人向けのキャラにしたかったんだよ。あんなに貧乳ネタ入れなくてもいいじゃねえか(笑)

里見 それを自分がキャラにすると、ああいう感じになるんですよ。

金子 なんでじゃ!

――――トラウマ抱えた人物が多いですよね。

岡田 ストーリー展開的に面白くするのはあたりまえだけど、人は誰しも、そういうものを抱えてるってことを表現したんです。

金子 特に今回、『罪』と『罰』で、『罪』が経験中だったから、罪は経験後ってことだから、その辺りも明確にしたほうがいいんじゃないかって。

――――絵的にも?

金子 『罪』は、制服だったから、画一的な中での個性の見せ方だったけど、『罰』は、大人でしょ。趣味は割と固定化してるだろうから、かっちりまとめようとした。ただ大人っぽい大人を作っちゃうと、個性出しづらいんですよ。ただの背広のお兄さんだと、カッコイイけど魅惑的なキャラクターにならない。どっかヤンチャじゃないと。でも、それやると子供っぽくなるから……悩みましたね。

――――パオフゥのデザインコンセプトは?

金子 タバコプカプカーってなジャジーな感じでいるとカッコイイバッド兄ちゃんみたいな、そういうテイスト。自分では、金色のイメージなんだ。自己主張が強いんだけど目立たないようにしてるって感じにしたかった。ああいうのはやりやすいキャラだね。やっぱり、舞耶が一番やりづらかったねオレは。

岡田 舞耶はね、ホントは、服替えようかって話をしてたんだよね。

金子 うららはクモの巣姉ちゃん。家に上げてくれたと思ったら段々逃げらんなくなっちゃうような(一同爆笑)

岡田 本質は陰気なんだよね。

――――新しくデザインし直したキャラは?

金子 神取とかね。これは、賛否両論でね。オレは、前のキャラはあんまり出したくないんだ。ニャルラトホテプが作った偽物って解釈したんだけど里見はまた違うかもしれない。

里見 ウワサが作った、ウワサで蘇った。

金子 神取そのものではないんだよね? オレはそう考えないと、前のプレイヤーに失礼かなって。前の神取は美学があったから、あいつがわざわざ蘇ってくるはずないんで。設定的には、目玉がついてないとか、そういったところがあるんです。前のキャラは、出したくはないんだけど、どうくずしてアレンジできるかという面白さもあるんで、難しいところだよね。

――――達哉の雰囲気が微妙に変わりましたね。

金子 達哉はね、未来人っぽいイメージにしたかったんだ。眉村卓の小説に出てくるような。だから、ああいう赤い服着て。

岡田 そりゃ目立つだろ。(笑)

金子 思い詰めた顔でね、日本刀持って歩いてるわけですからね。(一同爆笑)







『ペルソナ』の行末



――――今回のテーマソング決定のいきさつは?

岡田 まず楽曲を考えて、R&Bに決まったんだけど、アーティストが見つからなかった。悩んでいた時に、洋楽のプロデューサーと知り合って、相談してみたらエリーシャの名前が出て、「使えるんですか?」って聞いたら、「僕がプロデュースしてるから」って。そのプロデューサーが、たまたま『女神』が好きでプレーしてくれていて、「新曲を作りますよ」って言ってくれたんです。里見からキーワードをいくつか渡して、『罰』のために書き下ろしてもらったんです。『change your way』自分が変わっていくことでポジティブになっていくんだって歌を。ホントによかったですよ。曲のほうもうちのサウンドの要望を聞いてもらったり、3月に出されたアルバム(※)のメインタイトルにしてもらえて、6月のゲーム発売に合わせてマキシシングルも出してもらえて。

――――そういう歌詞の意味ってエンディング聴いただけだと頭に入ってこないですよね。

岡田 マニュアルに載せればよかったよね。

里見 そうですよ。読んだときに「俺が言いたかったのは、これだよ! 負けた!」って思いましたもん(一同爆笑)

――――『罪』と『罰』を振り返って、今後の『ペルソナ』はどうなっていくのでしょうか。

岡田 学生の視点と大人の視点という違う角度をひとつの作品の中で表現するという構成は、ずっと前から考えていたんです。今回の『罪』と『罰』ができたことで、自信が持てたと思います。『ペルソナ』を3作出せて、キャラクターだとかテーマ性がきっちり確立してきているんで、そこをもっと展開していきたいと思っています。単純に延長上のものではなく、もっともっと飛躍したものをやりたい。

金子 長かったですね、やってる時間が。ビジュアライズのほうでは、うまく差別化を図って、ポスターイラストみたいなのを描いてみたりもしたんで、その辺りも見てもらえると嬉しいですね。わざと未完成な部分も多いから、それぞれの想像で完成版にしてもらえれば嬉しいです。デザイナーとしては、最近オーバーデザインかなと感じているんで、もう少しシンプルなのをやってみたいですね。

岡田 それは、あくまでも金子の基準のですからね。勘違いしないで欲しい。『魔剣X』だって、金子には普通なんで。(一同爆笑)

里見 『ペルソナ』は、人間そのものを語るものだと思っています。そういった部分を皆さんの中で昇華して頂いて、現実の世界に、ゲームから立ち返って前に進んで行ってほしいと思います。あの中には、ポジティブなメッセージしか込めていないので、そういうところをくみ取っていただければ、これ以上の幸せはありません。キャラクターが選んだ結末に対して色々考えて、元気な力をもらって前に進んでもらえればいい。ただ、切なくなったりとか、怒りを感じたとか、そういうピュアな感情を否定する気はないんで、それはその人にとっての正解だと思うんです。正解は自分で見つけるものだよ、って。

――――勝ちも負けもないんだよ、と?

里見 勝ち負けを決めるのは自分次第ってことですよね。どう受け取るか。

岡田 自分次第なんだよ。

里見 自分次第ですよね。だからきっと、オレ、負けるの好きなんですよ(一同爆笑) 「ああ、ちくしょう!」っていうのが自分の原動力なんですよ。

――――ネガティブなんだかポジティブなんだか(笑)

里見 ないですか? そういうの? 「やられたー、見てろよ、チクショー!」っていうの。

金子 あるよ。

岡田 そりゃ、あるよ。

――――あえて自分を負けに追い込んで力を湧かせる。

金子 ずいぶんポジティブなんじゃない。

岡田 里見はポジティブだよ。彼ほど叩かれ強い人間はいない。ストーリー作ってて、「そうじゃねえんだ、こうだよ」って話をしていても、普通だったらめげちゃったりするんでしょうけど、立ち向かってくるし。非常に前向きで、一緒に仕事のしがいがある。だからここまで完成できたんだと思うね。最後に褒めておくからね。(笑)

金子 好感度アップだ(笑)

――――『ペルソナ』には、そうしたポジティブな思想が、たっぷり詰め込まれているということが、皆さんのお話から伝わってきました。今後も「レッツ・ポジティブシンキング」な皆さんのご活躍に期待しています。本日は、どうもありがとうございました。



※R&Bアーティスト、エリーシャ・ラヴァーンが歌うテーマソングが収録されたアルバム「Change Your Way」は、2000年3月23日にカッティングエッジより発売済み。また、6月14日にはマキシシングルも発売された。
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