A9VG电玩部落论坛

 找回密码
 注册
搜索
查看: 39310|回复: 196

[畅享] 以文会友,吹响BS同人小说的集结号!

[复制链接]

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-9 21:01  ·  福建 | 显示全部楼层 |阅读模式
本帖最后由 我为eg狂 于 2012-2-7 17:37 编辑



无题(偶的原创作品,目前更新进度无限期坑爹中)

王国历618年6月16日,纳尔维亚公都纳尔维亚。

战争的阴霾依然笼罩在维莉娅王国的土地上,作为陪都的纳尔维亚也不例外。虽然城内的民众一如既往的开始一天的劳作和生活,街道依旧熙熙攘攘,市集内人潮如织,买卖的吆喝声此起彼伏,但宁静祥和的表象仍然掩饰不了人们脸上偶尔显露的凄惶之色,每当有新的难民涌入纳尔维亚城内时,这种情绪就会像瘟疫一样在人与人之间迅速蔓延开来,越发地令人不安。

晌午时分,澄蓝的天空时而飘过几片薄薄的云彩,如丝如絮,阳光慵懒地洒在行人的身上,暖洋洋,予人说不出的温煦之感。笃笃~~笃笃,木制的车轮磕击着岩石铺就的路面,一辆装饰古朴的马车缓缓地行驶在城内的街道上。车窗旁,倚着一位年方二 十一二,有着一头紫菀色齐肩秀发的女子,嫣红的翡翠耳坠在秀美的脸颊傍熠熠生辉,上好锦缎织就的礼服愈加暗喻着她身份和气质的高贵,只是围在额头上的黑漆色绸带给人稍许的不协调感,似乎有某种象征性的含义让她无法释怀。

“真是令人怀念呵。”

车内的女子柔声道。

“是啊,大***,两年多了,我们终于要回家了。老爷和李斯特大人如果在天有灵,看到大***现在开朗的样子应该也会很高兴吧。要是老爷和李斯特大人还活着……”

车夫边说边抹着眼泪,不知是激动,悲伤,还是因为别的情绪感染着他。

“欧根,我现在每一天都过得很快乐不是吗,所以请大家不要再为我担心了好吗?”

女子脸上的阴郁忽闪而过,爽朗的语声在车内响起。

“虽然大***这么说,老夫还是有点放心不下,不过老夫始终坚信大***一定会遇上像李斯特大人一样疼您爱您的好男子。”

欧根一手拽着缰绳,一手抹去眼角残余的泪花。

“谢谢你,欧根。”

语毕,女子的目光不自觉地落在左手温润的指间。那是一枚造型典雅,做工考究的玉石戒指,选配的玛瑙有着和女子头发相近的色泽,金质的指环间镂空雕刻着朵朵含苞欲放的郁金香,细看之下,透过表面镶嵌着的玛瑙,心形的底座隐隐浮现R&D的铭文,凡此种种,无不体现加工者的匠心独韵。明明和我约好了,一定会回到我的身边的。如潮的往事在脑海中翻腾着,积淀的思绪愈发变得明晰,两年多前的一幕幕再度浮上女子的心头……

王国历616年4月,拉兹帝国的大军突然包围了国境重镇萨基利亚要塞,虽然长久以来两国之间就一直冲突摩擦不断,但帝国此次的侵略却带着非常浓厚的挑衅色彩。因此,贝尔维克同盟的盟主,即维莉娅国王莫尔迪亚斯4世向同盟的24国发出了动员令,如今来自各个同盟国的军队已经开始在国王陛下的身边集结。然而,此番如此的大张旗鼓和兴师动众仅仅只是救援萨基利亚要塞这么简单吗?

纳尔维亚,卡南伯爵洋馆的私室内,卡南伯爵正对着一位年轻的骑士叮嘱着什么。

“爹爹,我听说您要代替罗兹沃克伯伯出征,这是真的吗?啊咧,李斯特哥哥也在啊。”

一位身着华美裙装的女子蓦地闯了进来,瀑布般柔滑顺洁的秀发长及腰际,伴随曼妙身姿的剧烈摇摆而左右曳动着。

年轻的骑士含笑地向女子颌首致意,他叫李斯特,是一位器宇轩昂,干练洒脱,有着一头浓密金发,眉目英挺的男子。虽然目前在纳尔维亚军中只是士官骑士的阶级,但从他敏锐刚毅的眼神不难预见,他的前途必将无可限量。

“缇安娜,我不是说过好多次了吗,叫你注意淑女的形象,这样冒冒失失的成何体统!”

这位被缇安娜唤作父亲,正值壮年的男子正是卡南伯爵,身为罗兹沃克公爵的心腹,目前担任着纳尔维亚的行政长官一职。和他哥哥平易近人,温和亲民的形象相反,卡南伯爵时常板着一张正儿八经的脸,不怒而威的同时往往给人留下此人严于律己,精明强干的深刻印象,不过在缇安娜的眼里,父亲严肃的样子实在让她有点忍俊不禁。

瞅着卡南伯爵怒气未消的样子,缇安娜俏皮地吐了一下舌头,轻巧地躲到了李斯特的身后,李斯特则颇为无奈地朝卡南伯爵耸了耸肩。

“哼,别以为李斯特会一直护着你,他这一次可是要和我一起出阵前往萨基利亚要塞的。”

“这么说传闻都是真的咯,爹爹,让李斯特哥哥留下来陪我啦,都走光了人家会好寂寞嘛。”

缇安娜倏地蹦到卡南伯爵的身傍,撒起娇来。

“看吧,这丫头从小到大和你粘在一块,整天就只会李斯特哥哥长,李斯特哥哥短的,现在心中怕是连我这个爹爹的位置都装不下咯。”

卡南伯爵意味深长地和李斯特对望了一眼,继续缓声说道:

“李斯特,从你的父母将你托付予我的那一天起,我就把你当作亲生儿子一般看待。你和缇安娜打小就玩在一块,兄妹间的感情一直都很好,不过爹爹我看得出来,你们是彼此爱慕着对方的。”

“爹爹!”

“父亲大人……”

缇安娜娇羞地低下了头,李斯特的脸上也泛起了阵阵的红晕。

“原本出征萨基利亚要塞的纳尔维亚军是由你们的伯伯罗兹沃克公爵大人统率的,爹爹之所以主动要求代替他前往其实都是为了你们好,爹爹是希望在此次的征战中多为李斯特争取一些机会,只要他能立下武勋并进而获得国王陛下的封赏,等我们凯旋而归的那一天,为父就可以名正言顺地为你们操办婚事了。”

“爹爹,人家还没打算要结婚呢。”

缇安娜樱唇微噘,似乎有点懊恼父亲的自作主张,却不经意间和李斯特四目相对,双颊傍已然点缀起绯云朵朵。

“呵呵,乖女儿,你可是爹爹的心肝宝贝啊,爹爹何尝不想把你永远地留在身边呢。不过男大当婚,女大当嫁,你年纪也不小了,也到了该考虑自己终身大事的时候了。李斯特这孩子温柔细心,让他照顾你一生一世我是一百个放心。”

“可是爹爹,女儿我真的还没准备好嘛。”

卡南伯爵当然明白女儿的嗫嚅不过是口是心非而已,他迈着沉稳的步伐移动到了女儿的身后,温暖的大手轻柔地搭在她的香肩上,同时向李斯特递了个眼色,李斯特回应以会意的微笑。

“好啦,爹爹现在还有一大堆的公务要处理,有什么话就和你的李斯特哥哥说去,反正你从小到大只要有了什么愉悦和委屈的事儿总是喜欢找他来倾诉,爹爹我是插不上什么嘴啦,快去吧。”

“缇安娜,可以跟我去一个地方吗,我有很多话想对你说。”

卡南伯爵的话音刚落,李斯特便会意地接过了话茬,缇安娜的心头微微地一怔,但很快又平复下来。两人齐声向卡南伯爵道别,手牵着手离开了伯爵的房间。凝望着二人渐行渐远的背影,卡南伯爵的目光依旧是那么的慈爱。

“李斯特哥哥,你要带我到哪里去嘛,还蒙上人家的眼睛。”

李斯特跨着他的战马,缇安娜双手环揽着他柔韧结实的腰部,身体紧紧地倚靠在他雄健宽阔的背上,两个人在乡间的村道上飞驰着。

“你呀,还是急性子一个,再一会就到了。”

村道傍,溪水在沟渠中欢畅地奔淌着,风儿轻摇着风车的页片,一亩亩黄灿灿的郁金香正迎风怒放,策马其间,恍如游弋于金色的海洋。

“吁~~~”李斯特紧紧拽住爱马的缰绳,继而轻巧地跃下马来。“到了,下来吧。”只见他握住缇安娜的手,小心翼翼地将她扶下马来,而缇安娜早已迫不及待地解下了蒙住双眸的绸纱。

“哇,好美啊!”但见金色的花海环萦于二人的周围,伴随着拂面而来的清风漾起阵阵的涟漪。

To be continued……

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-9 21:06  ·  福建 | 显示全部楼层
本帖最后由 我为eg狂 于 2011-10-10 14:36 编辑

白昼的怒火

从那天早上开始,她就心情不佳。
“请想想办法啊,利斯大人”
利斯“啪”地一声,拍了拍自己的胸脯,斩钉截铁地说道
“我!怎么可能有办法!”
“……别摆架子了好不好……”
利斯身后,两名骑士显得无可奈何。
“总之,能让莉内特大人开心起来的,只有利斯大人你了,加油”
“……”
利斯被2人推向前
咚咚咚,利斯轻轻地敲了敲眼前的门。
“莉内特,我可以进来吗?”
“我才不会让连名字都不说的人进来”
“……”
异常冰冷的声音明显不同于以往。
利斯不由得无力地低下头。
“利斯大人,加油!”
“……是,是我”
“你是谁啊?骗子吗?还以为最近没以前那么多了”
“不不不,我不是骗子”
说完利斯又敲了敲门,但莉内特已经不再理会了。
眼前的门就如同她的心一样紧锁着。
“哇——真不好对付”
“利斯大人,你和女人的传闻太多了,看来秋后算账的时候到了”
“你说谁啊”
利斯轻轻地打了一下阿迪尔的脑袋,然后,抬起后脚跟毫不留情地砸到里昂身上
之后再次转过身,面对眼前紧锁的大门。
“……我会好好向你解释的,把门打开好吗”
“……………
吱吱
吱吱吱吱……
门慢慢打开,但开门的声音却显得很不吉利。
“谢,谢谢…”
利斯表情僵硬地走进莉内特的房间,但独自一人却让他多少有些难受。
哐当
门很快就被莉内特关上了。
“——莉内特”
莉内特低着头看不见她的表情。
但是,显而易见地莉内特的眼睛已经哭肿了
“真的是误会,你听我解释好不好”
“………”
前几天的情人节
利斯虽然收到了莉内特的巧克力,但是,除此之外还收到了别人送的本命巧克力,这件事被莉内特发现了。从那之后,莉内特就没怎么露面。
当然,更不可能说上话。
为此,到现在都没办法解释清楚。
从昨晚开始就说“反正明早你就要去见送你巧克力的人了吧”
“没关系,你不用在意我!!”
然后就一直把自己关在房里,吃早饭的时候也不出来,甚至连午饭都没吃,仍把自己关在房间里
“什么误会啊?…我,我们本来就是兄妹,不用在意我的,请去约会吧”
“……真是的……”
利斯深深地叹了口气。
然后,搂住莉内特的肩膀,轻轻地把她抱在怀里。
她强烈的抵抗,让利斯伤痕累累
但即使如此,利斯也没有放开她
“那块巧克力,的确到了我的手上,但那是给谁的你没看到吧?”
“……哎?”
莉内特终于抬起了头
虽然都哭肿了,但她还是睁大眼睛看着利斯
“你如果打开包装看看里面的纸条就知道了,那不是给我的,正确地说是给我们大家的,纸条上写着“请大家一起享用”,也就是说那是一块义理巧克力”
“哎…?”
莉内特吃惊得直眨眼。
“可,可是,那么用心的包装……”
“只有外表而已,里面很普通的,大家都分着吃了,应该说被男人们分着吃了。你不信的话,可以去问克里斯,她从我们打开包装到吃完,一直都在场。”
“………”
莉内特离开利斯
双手捂着脸,连耳根都羞得通红。
“……讨厌……真难为情。我…我又胡思乱想了……”
“呵呵。嘛,那样的包装也难怪会被误会。只不过是我以前在王都曾帮过的人,包含着那时的谢意才送给我的。因为对我心怀感激,所以包装才会那么用心。
“嗯…真是的,我好丢脸,自己胡思乱想还瞎嫉妒…像个小孩子一样……”
说完,莉内特捂着脸害羞得低下头。
利斯笑着拨开莉内特的手,看着她的大眼睛说道
“没关系哦。如果是你,就算是嫉妒也会让我很高兴的。——我们还有很多相互不了解的地方,所以一点一点地加深交流吧,为了以后就算有了误会,也能相互谅解,携手共进”
“嗯……”
两人轻轻地吻了一下对方。
“咕咕”
莉内特的肚子叫了。
“啊”
“呀啊……对,对不起,我一直没吃东西,所以……”
哈哈
利斯摸了摸眼泪未干的莉内特的头,在她耳边小声说道
多吃点哦,等打起精神后。——能和在下约会吗?我的小公主?
“讨厌,还故意戏弄我,真过分”
“那就是不去了?”
“去!当然要去”
“嗯。那先去吃饭吧,我等你”
“好”
就这样,莉内特不再生气走出了房间。
利斯看着已经开心起来的莉内特,让一直担心她的侍女们开始准备食物。
这时,里昂从身后偷偷走过来。
“以前在王都曾帮过的人”,不告诉莉内特是仙娜大人吗?真过分啊

利斯的铁肘重重地落在了里昂的胸口
阿迪尔急忙跑过来扶住里昂。
“抱,抱歉,利斯大人。我本来想阻止他偷听的”
“没关系……不过如果再多嘴的话”
利斯露出了圣人君子般的表情微笑着说道。
“知道有什么下场吧?”
“哈哈哈哈,当然知道。请放心,我也会对克里斯做足工作不会让她多嘴的”
“拜托了”
利斯的视线离开战战兢兢的阿迪尔后,就看见莉内特正向这边走来。
“哥哥,我一个人有些无聊,哪怕是吃点点心也好,能陪我一起用餐吗”
“嗯,没问题”
利斯露出爽朗的笑容跑到莉内特跟前。
“……嘛,世界上,不知是福的事,还是很多的……”
里昂揉着自己的胸口说道
“是啊是啊,就算不知道事实也好,只要莉内特大人幸福就行了”
“的确如此”
说罢,两人苦笑着追上了自己的领主。
“利斯大人,莉内特大人,让我们和两位一起用餐吧”
“只许里昂吃煮鸡蛋”
“真过分!”
利斯吐了吐舌头,在他身边的莉内特打从心底笑了起来
为了守护这笑容
隐瞒事实这种事,根本不足挂齿
不只是利斯,阿迪尔和里昂也都不再提起此事。

几年后,利斯和莉内特的结婚临近时,这件事却暴露了。
眨眼之间就爆发了离婚之乱。
与其擅自隐瞒不如一开始就全盘交代的好。
大家明白这个道理,还是很久以后的事了。

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-9 21:22  ·  福建 | 显示全部楼层
本帖最后由 我为eg狂 于 2011-10-9 21:40 编辑

メッセージ[8章依頼後クリス、イストバル](翻译期待中…)

「誰だ?」
 予想外の声が返ってきて、イストバルは思わず一歩、後ずさった。
 部屋を間違えた?だけどここは確かにティアンナに教えてもらった通りの、
「あぁ。なんだ、何かあったか」
「あ、―――――いえ、その、風邪だと きいて」
 返事のないのをおかしく思ったのだろう、ドアは内側から開かれ―――エルバートが顔を出した。
 やはり自分の聞き間違えではなかったのだ、と安心する反面、なぜ彼がここに、とも疑問に思う。
 だってこの部屋は、
 そう考えを巡らせ、1周してから合点がゆく。
 あぁそうか、彼らは、
「風邪、ね。 そう言えばそういうことだったか」
 エルバートは後方をちらりと見やり、意地悪な笑みを浮かべて。
 そう間をおかずに、奥から驚くようなスピードでクッションか何かが投げつけられ、だがエルバートは他愛もなく避けて見せる。
「クリス、イストバルだ。見舞いに来てくれたそうだよ」
「え? イストバルが?…」
 そこでようやく、イストバルは部屋の主の声を聞くことが叶った。
「あっ、あの、 体調を崩したと聞いて…マリーベルが差し入れをって…」
「…そうなの… ありがとう。大丈夫よ、入って」
「は、はい…」
 本人から許可は下りた、けれど…、
 イストバルは、入口で床に落ちたクッションを拾い上げているエルバートへ、ちらりと視線を流した。
「遠慮はいらない、ゆっくりしていくと良い。」
 何か含むような笑みを浮かべ、それからイストバルの肩を叩き、見舞いの品を入れたバスケットの上にクッションをのせて部屋を出て行った。
「……あー… の、」
「あの人のことは気にしないで。いつもああなのよ」
「はい、……」
 おぼつかない足取りで、イストバルは一歩、踏み込んだ。
 ふわり、甘い香りに驚いて、顔を上げると部屋の奥にクリスが居た。窓辺の椅子に、腰掛けている。体調が良くなかったのは本当のようだ。顔色がどことなく悪い。
 思えば、妹以外の女性の部屋になど入るのは初めてだ。
 そんなことを今更考えて、動揺する。
 いや、…いや、そんな場合じゃなくて、
「風邪…では?」
「なかったのよ。ごめんなさい。それでも朝は起きられる状態じゃなくて…、エルバートが気を利かせてくれたのね」
 微苦笑を浮かべ、クリスはゆっくりと立ち上がった。
 満足なおもてなしもできないけれど、と部屋の隅に追いやられていたテーブルセットを引き寄せる。―――窓辺の椅子は、そこから持ってきたものだったらしい。
「いや、いえ、そんな すぐに帰りますから!」
 イストバルは慌てて、その行動をとどめようと駆け寄り―――――
 …嗅ぎ慣れたにおいに気付く。
 酒?
「…クリス様?」
「………」
 気付かれた。
 気まずいらしく、クリスの視線はテーブルへ落とされたままだ。
 シノン騎士団の花一輪の呼び声高い弓騎士は、その生真面目さも有名で、酒宴でハメを外すだなんて話を聞いたことはない。
 そもそも昨日は――――― ―――――…だから、か?
 昨日、シノン騎士団は前線に巻き込まれる村の避難勧告の任から帰還したところだった。
 機動力を重視される任務ゆえに歩兵のイストバルは帯同せず、だからその後のクリスの体調が悪いということを聞き、心配して見舞いに訪れたわけだけれど…
 何かあったのだろうか?
 彼女は生真面目で、それだけに情が深いことを、イストバルは知っている。そんな彼女に、彼は―――彼とその家族は、救われたのだから。
 シノン騎士団のお陰で、被害は最小にとどめられたと聞いている。
 最小ということは―――被害は免れなかった、ということだ。
 何かあったのだろうか… いや、何かあったのだろう。だから、彼女はこうして立ち直ることができずにいるのだ。
 それはきっと、彼女にとって、とても大切なことだったのだ。
 そこまではわかる―――― わかるけれど、きっとそれ以上は踏み込めない。そう思った。
 もしかしたら、エルバートも同じ思いを抱えているのかもしれなかった。
 だから、彼女を守るように、番兵のように、部屋で見守っていたのかもしれない。それしか、できることがないから。…、
 ひと呼吸を置いて、イストバルは押しとどめようとしていたテーブルを、ひょいと持ち上げた。
「じゃあ…、せっかくなんで」 
 突然負荷が外れ、体のバランスを崩したクリスが、驚いて彼を見上げた。
「ご一緒してもいいですか?」
 深いことは聞かない。
 暗にそう告げたイストバルに、クリスは笑みを返した。よく見ると、その目元には涙の跡が残っていた。



 するすると、慣れた手つきで果物の皮を剥くイストバルのナイフ捌きを、面白そうにクリスは眺めていた。
「そんな、珍しいモンじゃないでしょう」
「珍しいわ。私だって、そんなにきれいに使えないもの」
「それは… まぁ、」
 イストバルは狩人である。あらゆる短剣の使い方には慣れているし、実生活だって、炊事を常に妹だけに任せているわけではないのだ。
「どんな道具も、使い方次第って奴ですかね」
 最後のリンゴは皮を剥かずに、可愛らしくウサギさんカットで差し出すと、クリスは噴き出して笑った。
「あ 笑った。これ、妹たちにも評判いいんですよ」
「まぁ」
 さっそく一つを手に取りながら、クリスはその様子を思い浮かべた。
 出会った頃のイストバルには、どこか捨て鉢な印象があったけれど、幼い弟妹たちには、誰よりも頼りになる存在に違いないのだ。
 誰よりも頼りに―――
 それを自覚すればこそ、自分の無力さに直面して、間違った道を選択しようとしてしまったのだろうか。
 頼ることは容易い。
 応えることは、難しい。
 意識が強すぎると、結果的に自分自身を顧みない選択すら採ってしまう。
 けれど、そんなこと、誰も望んでいないのだ。
 犠牲なんて、望んでいないのだ…
 ぽとり。
 枯れていたはずの涙が、この期に及んでまた落ちてくる。
「…クリス様?」
 驚いたイストバルが腰を浮かせるが、クリスは下を向いたまま首を振り、それを制した。
「大丈夫… なんでもないの」
「なんでもないって、そんな、」
 自分のような人間の前でさえ、抑えきれないような感情を抱えていて何を言うか。
 それでも、深い事情は聞けない。
 かといって、このまま立ち去るわけにもいかない。
 結局、彼は再び腰を下ろし、何を言うでなく、テーブルの上のフルーツに手を伸ばすだけだった。 


 …私への差し入れじゃなかったの?
 半分以上がイストバルの腹へ収められたところで、呆れたようにクリスが言った。
「仕方ないじゃないですか。俺、沈黙に耐えられない男なんですよ」
「知らないわよ、そんなこと」
 そして笑う。
 落ち着いた様子に、イストバルは安堵した。
「ごめんなさいね、せっかく来てくれたのに…」
「いえ。俺の方こそ、邪魔をしてしまって」
 潮時だと判断して、今度こそイストバルは席を立った。
「そんなことないわ。ありがとう、嬉しかった。マリーベルにも宜しく伝えてください」
「はい。あ、そうだ、これはウチのチビ達からなんですけど」
 見舞いの品の、奥底に隠れてしまっていた。
「裏山で見つけたって… 是非、クリス様にって」
「…クローバー?」
「四葉は幸運のシンボルだそうですよ。ヴェリアの加護が、あらんことをって。 子供のやることですが、受け取っていただけますか?」
 それは、いびつで小さな栞だった。
「ふふふ、可愛らしい"奇跡の護符"ね。大切にします。」
 よかった。
 笑い、そうしてイストバルはクリスの部屋を後にした。



 静寂の訪れた部屋で、クリスはそっと"護符"を握りしめた。
 ふと、その裏に、幼い字でクリスに対するメッセージが書かれていることに気づいた。
 イストバルの弟妹たちが書いてくれたのだ。
 体調の回復や、戦場での無事を祈る言葉に、胸が暖かくなる。
 頼ることは容易い――― けれど、頼ることしかできないものが居ることも確か。
 けれど、それは、決して一方的なものでは…ないのだ。
 こんなにも、力を分け与えてくれるものなのだ。
  ―――――男子たるもの
 エルバートの言葉が過ぎる。
 男なんて、
 そう思った。聞いたあの時は。
 けれど今は… なんとなく… その気持は、わかるような気がした。
 そのために残される者のことを考えないだなんて、自分を投げうつだなんて、その選択肢にはやはり賛同はできないけれど…
 気持はわかるような気が、したのだ。
 …ほんとうに、本当に



「男って… 馬鹿よね。ねぇ、エルバート」



 完全に理解したわけじゃない。賛同したわけじゃない。
 それでも――――否定する事も出来ないのだ。
 まったく、あきれるほどに、不器用な生き物なのだと思う。
 その筆頭に声をかけてやれば、ドアの向こうでわざとらしい咳ばらいが聞こえた。
 クリスは笑った。

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-9 21:32  ·  福建 | 显示全部楼层
本帖最后由 我为eg狂 于 2011-10-9 21:45 编辑

为了保护大家的视力,表格背景色还是继续沿用豆沙绿吧。
有心翻译的话将按字数给予浮云奖励,每千字送出50朵(将通过Word统计得出,不包括符号和空格)。
所以呢,想赚浮云的赶快来泪吧不解释,偶可是非常慷慨的哦。

征服者

灵魂收割者!飞翔的女武神!

精华
0
帖子
5136
威望
0 点
积分
6539 点
种子
5 点
注册时间
2008-6-3
最后登录
2015-7-30
发表于 2011-10-9 22:41  ·  贵州 | 显示全部楼层
翻译的话还是交给我家激萌无敌的苍舞姐来完成吧~~~大期待~~~

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-10 14:45  ·  福建 | 显示全部楼层
本帖最后由 我为eg狂 于 2011-10-10 15:05 编辑

回复 bloodlilith 的帖子

光靠苍武君一人翻译的话还是蛮捉襟见肘的说,毕竟漫画和同人小说实在是太多了。
偶准备到A9的日语区找一些外援,希望他们能鸟偶吧,不过又担心翻译质量得不到保证。
如果苍武君咬咬牙,表现很钢八爹的话,偶会为她申请威望奖励的,努力就应该有回报嘛。
PS:去游语空间看了下,比泪吧还要冷清,找外援只怕是Mission Impossible,哎~

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-10 22:53  ·  福建 | 显示全部楼层
睡眠预备中,在这之前继续召唤下苍武君,她应该要开始进入活跃期了。
那个,一天翻译一点,不着急的,只是希望您能表下态。

圣骑士

グローランサー

精华
1
帖子
1484
威望
2 点
积分
4371 点
种子
572 点
注册时间
2007-5-16
最后登录
2024-11-27
发表于 2011-10-11 15:42  ·  天津 | 显示全部楼层
没什么问题,只不过可能要等几天

挂版VIP

目若朗星

精华
1
帖子
34885
威望
21 点
积分
36970 点
种子
406 点
注册时间
2005-8-11
最后登录
2024-11-27
 楼主| 发表于 2011-10-11 16:14  ·  福建 | 显示全部楼层
回复 苍武 的帖子

偶们一定会慢慢等的,翻完一篇再上另一篇,一步一步来,假以时日,威望也会向您招手哦!

征服者

灵魂收割者!飞翔的女武神!

精华
0
帖子
5136
威望
0 点
积分
6539 点
种子
5 点
注册时间
2008-6-3
最后登录
2015-7-30
发表于 2011-10-11 16:44  ·  贵州 | 显示全部楼层
苍武 发表于 2011-10-11 15:42
没什么问题,只不过可能要等几天

苍武姐威武~~~满眼星星的期待着苍舞姐的翻译~~~
您需要登录后才可以回帖 登录 | 注册

本版积分规则

Archiver|手机版|A9VG电玩部落 川公网安备 51019002005286号

GMT+8, 2024-11-27 23:56 , Processed in 0.218662 second(s), 12 queries , Redis On.

Powered by Discuz! X3.4

Copyright © 2001-2020, Tencent Cloud.

返回顶部